2026年8月27日、石川県と富山県に大雨特別警報が発表され、記録的な豪雨となっています。
また今月13日には千葉県でも記録的な大雨があり、道路が冠水し、動かせなくなった車が多数取り残されました。
今、まさに車が水没する被害に遭っている方、あるいはこれから遭うかもしれないと不安な方に向けて、「水没したらまず何をすべきか」「保険は使えるのか」を、
元損害保険会社社員であり、現在は整備工場の現場にも立つ立場からまとめます。
水没した車のエンジンは絶対にかけない
車が水に浸かってしまったとき、一番大事なのは「動くかどうか自分で試さない」ことです。
水に浸かったエンジンを始動すると、エンジン内部に水を吸い込んでしまい、圧縮できない水が原因でエンジンそのものが壊れてしまう「ウォーターハンマー現象」が起きることがあります。
また、配線や電装部品が水に浸かった状態で通電すると
ショートして車両火災につながる恐れもあります。
「バッテリーは大丈夫かな」「動くか試してみよう」という気持ちは分かりますが、
水が引いた直後であっても、自分でエンジンをかけるのは避けてください。
ハイブリッド車・EVは感電が心配…という点について
ハイブリッド車やEVが水没すると「感電するのでは」と心配される方も多いですが、高電圧バッテリーや高電圧回路は通常、車体としっかり絶縁されているため、水没しただけで感電することは基本的にありません。
ただし、事故などで車体や配線が破損している場合は、むき出しになった高電圧部品に触れると感電の危険があります。
専門知識のない状態で車内の部品に直接触れるのは避け、レッカーなどで移動を依頼し、
販売店や整備工場に相談するのが安全です。
水没した車、自動車保険は使えるのか
結論から言うと、台風・洪水・高潮による水没は、車両保険に入っていれば「一般型」でも「エコノミー型(車対車+A)」でも補償の対象になるのが一般的です。
「エコノミー型だから水害は対象外」という誤解をされている方もいますが、水害についてはどちらのタイプでも補償されます。
一方で、次のようなケースは注意が必要です。
- 地震・噴火、およびそれらに伴う津波による水没は、車両保険の補償対象外です
(一般型・エコノミー型どちらも同様)。
一部の保険会社には「地震・噴火・津波危険 車両全損時一時金特約」という別の特約があり、加入していれば全損時に一時金が受け取れる場合があります。 - 冠水した道路やアンダーパスに無理に進入して被害に遭った場合など、運転者側の重大な過失があると判断されると、補償の対象外となる可能性があります。
契約されている保険の種類や特約は人それぞれ異なるため、正確なところはご自身の保険証券・保険会社への確認が必要です。
保険を使うと等級はどうなるのか
自然災害(台風・洪水など)による水没被害で車両保険を使った場合、「1等級ダウン事故」として扱われます。
事故の種類としては、翌年以降の保険料への影響が比較的小さい部類に入ります。
「保険を使うと大幅に保険料が上がってしまうのでは」と使うのをためらう方もいますが、水害による水没は、その心配が比較的少ないケースだということは知っておいていただきたいです。
保険金請求の流れと必要な書類
保険金請求では、基本的に保険会社所定の保険金請求書や車検証のコピーなどが必要です。
今回のような大規模な災害の場合、自治体が発行する罹災証明書の提出を求められることもあります。書類が揃えば、支払いまでは概ね2週間〜1か月程度が目安とされていますが、被害の状況や保険会社によって前後します。
保険金の請求権は法律上3年間有効とされているため、当時の写真や修理記録を残しておけば、後からでも請求できる可能性があります。
災害に被災された場合はそのような余裕はないことが多いですが、落ち着いてからでも大丈夫ですのでまずは被害状況をスマートフォンなどで写真に残しておくことをおすすめします。
整備工場に持ち込む前に知っておいてほしいこと
水没した車は、自分で運転せず、レッカーなどで移動してから整備工場に相談してください。
水没直後は問題がなく見えても、時間が経ってから配線や金属部分の腐食・接触不良が表面化することがあります。
数週間後に警告灯が点灯したり、電装部品に不具合が出たりするケースも珍しくありません。
修理するか買い替えるかの判断は、被害が進行する前に、なるべく早めに整備士に見てもらった上で決めることをおすすめします。
令和2年7月豪雨、熊本県人吉市で見た光景
令和2年7月豪雨では、熊本県人吉市が甚大な浸水被害を受けました。
当時、私は損害保険会社に勤務しており、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言下で「現地対応にあたるように」との指示を受け、本来は専門の鑑定人(アジャスター)が担当する現地調査業務を自分が代行し、多くの被災車両を実際に見て回りました。
球磨川が氾濫した現場は、車が水の勢いで垂直に近い状態で止まっていたり、流木や自動販売機まで道路の真ん中まで流されていたりと、凄まじい光景でした。
川の氾濫現場にあった車は泥まみれで、見るからに全損だろうと判断がつきましたが、それ以外の水没車の立ち会いでは「意外と綺麗な車が多いな」と感じたのを覚えています。
水没した車の多くは、外から見ただけでは被害の深刻さが分からないのです。
外観はそれほど汚れていないように見えても、車内やエンジン内部には想像以上の被害が及んでいることが少なくありません。
明らかに水の勢いで元の位置から動かされて傷がついている車がある一方、汚れていないのにエンジンがかからない車も何台もありました。
だからこそ、「見た感じ大丈夫そうだから、とりあえず動かしてみよう」という判断は避けてほしいと思います。
そして、無理に修理をしたとしてもその後に部品が錆びてきたり、他の場所が故障し出したりもします。判断はお任せしますが、プロに相談するのが間違いないです。
センサー類などは見た目でもわからなく判断などが難しいです。
これは私自身の被災地での経験と、その後、整備工場の現場で水没車を
多く見てきた実感の両方からお伝えしたいことです。
お住まいの地域のハザードマップを確認しましょう
新座市・東久留米市・朝霞市・志木市・和光市では、洪水ハザードマップが公開されています。
お住まいの地域がどの程度の浸水リスクがあるか、大雨が本格化する前に一度目を通しておくことをおすすめします。(各市公式サイトの防災・ハザードマップページからご確認いただけます)
迷ったら、自動車整備工場にご相談ください
大雨で車が水没してしまったら、まずは自分でエンジンをかけず、安全な場所に避難した上で、保険会社と整備工場の両方に連絡してください。
「保険が使えるかどうか分からない」「まず何をすればいいか分からない」という状態でも構いません。
秋元自動車では、整備士としての診断と、保険相談の両方に対応できます。
豊島区・新座市周辺で水害に遭われた方は、お気軽にお問い合わせください。
🔷 お問い合わせ・アクセス
「車が水に浸かってしまった」「動かしていいか分からない」というときは、
無理に判断せず、まずご連絡ください。
東京工場: 東京都豊島区長崎1-9-24(西池袋ICすぐ・椎名町駅北口徒歩3分)
新座工場: 埼玉県新座市北野2-13-21(志木駅・新座駅から車で10分)
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